鬱漫画と名高い「おやすみプンプン」読んだら面白かったお話。【漫画感想】

2022年3月19日漫画感想

先日、初めて「おやすみプンプン」という作品を一気読みしました。

結論から述べると、非常に面白かったです。

一般的には鬱漫画と言われる作品ではありますし、多くの方にとってはそうなのかもしれません。(実際暗い重い部分は多いしね)

しかしながら、私のこの作品の読後感は実に多幸にあふれたものとなりました。

なぜ、鬱漫画と呼ばれるおやすみプンプンを読んで、私は幸せな気持ちになったのでしょうか。

 

プンプン(とおじさん)にめちゃめちゃ共感したから

それは、私がプンプンに共感しまくりだったからです。

共感といっても、私とプンプンは家庭環境から能力面でのスペックから、何から何まで異なります。

ではどこに共感したのか。

それは、プンプンの面倒くささです。

 

プンプンは、ジャニ顔のイケメンらしいですし、勉強もできるし、なんだかんだ気にかけくれる人がたくさんいて、

“ちゃんと普通に”生きようと思えば、生きられたと思います。

そう難しいことではなかったはず。

 

それなのに、過去の愛子ちゃんにひたすらこだわったり、そのくせ女の子に声はかけるのに拒否られたら被害者面したり、思わせぶっといて相手を捨てたり、無駄に卑屈になったり。

私はマンガワンアプリにてこの作品を読んでいたのですが、中後半あたりのコメント欄では、「さすがにプンプンうじうじしすぎだしイライラする」という声が多くあった気がします。

まあ実際にプンプンはうじうじしすぎだと思います。

 

しかしながら、私はそのプンプンのうじうじに非常に共感したのです。

ちゃんとできるのに、変なところが生真面目で、優しいとこもあるけど自分で事を面倒にしたり、なかなか喋らないと思ったらいらん事まで言ったり、神という名の自意識と対話すること諸々、

「分かる~!!!」という思いでいっぱいになりました。

 

もちろんぜんぶがぜんぶ同じなわけではないんですけども、

私の良くない性格のひとつに、無駄に卑屈になるところがありまして、

おそらく誰も気にしていないだろうことも、「ああ、ぜんぶ自分のせいなんだ。私が全て悪いんだ。私なんてもう生きてる価値ない」くらいまで思っちゃうし、(考えすぎな自覚はあります)

小学生とか中学生の頃に言われたこと、反対に言ったことをめちゃくちゃに覚えています。

特に、言ったこと、というか言ってしまったこと?

あのときの言葉は、あの子のこと傷つけてたよなとか、何度も何度も思い出すし、

今でもずっと後悔しています。相手の子は忘れてるかもだけど。

そういうわけで、プンプンが呪いのように愛子ちゃんに執着するのとか、けっこう分かるなあとも思う。

 

あとは、プンプンじゃないけど、叔父さん。

叔父さんがけっこうこれまた自分が悪かったんだ……と思いまくって、

そういう自分に酔ってる風な雰囲気もありましたけど、ここにも正直共感しまくっていました。

私も結局、自分を勝手に責めて、繊細な自分を自分のなかで勝手に演じて、そんな自分に酔ってるだけなんだろうなと思ったりします。あんまし認めたくないけど。

 

そういうわけで、プンプン(と叔父さん)の言動諸々は自分を見ているような部分が大きく、

読んでいて病む・鬱になるというより、むしろ、自分のこれまでの行動や普段の自分の考え方等を客観的に解像化されていくようで、読んでてスッキリとしてきたのです。

なんといいますか、むしろ、自分を肯定されたかのような気分になったのかも。

(なんとなく自分の名誉のために書くと、あくまでプンプンたちの特性や、行動に至るまでの思考プロセスに共感しているだけで、彼らとおんなじような行動を起こしているとかではないですよ)

 

結末について

でもまあ、この結末ってどうなんでしょうね。

バッドエンドと捉える方もいるようですし、実際超絶ハッピーエンドではないですよね。

とは言いつつも、個人的には、鬱漫画と聞いていたために、もっと凄惨悲惨な最期を迎えるのかなあと思っていたので、かなりあたたかな気持ちで結末を迎えたかもしれません。

 

 

プンプンにとっては、幸せな結末だったのかなあ。

個人的には、最後の姿があのかわいらしい鳥のフォルムになっていたところを見ると、幸せではあったのではないかなと思っています。

というか、私は思考の癖とかがプンプンに似ていると勝手に思っているので、プンプンが幸せにならないと私も幸せになれないんじゃないかとか思ってしまうので、プンプンは幸せだと思い込みたいのかもしれません。(たぶんこういうとこが私の面倒くさいところ)

だんだん愛子ちゃんもことも忘れていくのかなと思うと寂しいけどね。

 

南条さんの募金のくだり

あと、もうひとつめちゃくちゃ共感したところは、南条さんの募金のくだり。

 

 

道ばたとかで募金活動してくれてる方とかいらっしゃるじゃないですか。

幼い頃は、純粋に、「すごいなあ、えらいなあ」としか感じていませんでしたが、

だんだんと、違和感のようなものを覚えるようになりました。

そういう募金て、そもそもちゃんと集まったお金が困っているところに行き渡っているのかな?とか思ったり、

結局、私が募金をしようとするのは、自分は募金をするほど良い人なのだと思いたいだけなのでは?募金をする自分に酔っているだけなのでは?とか思ってしまうわけです。

 

でも、そうはいっても、人前で活動することで、問題がより周知されたりするわけだし、

仮に募金が自己満足で酔っているとしても、お金が集まってそれが誰かの役に立つという事実は変わらないわけなので、むしろ良いことのはずなんです。

なのに!!どうも拭えぬこの違和感!!

そして、こういう風にひねくれて考えてしまう自分も嫌になる!!!!!!

とまあそういうわけなので、南条さんの言いたいことはなんとなく分かるなあとか思いました。

 

まあ私は10万円の寄付とかしてないので、南条さんと一緒にしてはいけませんが。

南条さんは結局良い人なだけで、良い人ぶるのが嫌って感じがしましたね。

 

まとめ

まあそういうわけで、おやすみプンプンは私にとって共感どころが盛りだくさんで、実に読んで良かったと思える作品なわけです。

でももちろん、悲しくも思いましたよ。

愛子ちゃんのくだりとかね。

私は偶々プンプンに似たものを感じてしまったがゆえに、プンプン、ひいては叔父さん含む不器用なプンプン一家に感情移入したのでサクサク読めたのかもしれませんが、

もしそうではなかったら、もっともっと愛子ちゃんに寄って感情移入していたら、

この作品は私にとっても鬱漫画だったと思います。

 

 

……なんかいろいろ書きたくなってくるね。

シミちゃんと関くんのこととかも。

でもここらへんは、いろいろ考察ブログとか読んで満足しちゃって、

特段新たに記したいこともないのが事実。

書こうとしても、他サイトのパクリみたいになっちゃうのでやめときます。

では。

 

おまけ・個人的な鬱漫画たち&タコピーの話

おやすみプンプンは比較的普通に楽しんだ私ですが、これまで読んだ漫画たちの中には、

読後かな~り暗い気持ちになったものもあります。

 

・ハッピーシュガーライフ

この作品こそ、誰に共感するかが肝なのではないかなと思う。

読み終わった後、なんだか沈んだ気持ちになったのを思い出します。

 

・虐殺ハッピーエンド

これは最近読んだやつ。

個人的には読んでてわりとしんどかった。設定がカワイソス。

 

・けだものたちの時間~狂依存性症候群~

これこそ、人には軽率にオススメできない作品だと思ってる……。

なんだけど、ストーリー構成も良くてついついひきこまれて読んでしまう。

未完結だけど、はたしてどんなエンドを迎えるのだろう。

 

 

私は「タコピーの原罪」という漫画について調べているときに、「おやすみプンプン」の存在を知りました。

SNSで連なって呟いているひとが時々いたので、似たような漫画なのかしらと思って気になった次第です。

結論から述べると、キュートなフォルムのキャラクターがいる、「タコピー」「プンプン」というキャッチャーなお名前、なんとなく鬱っぽい雰囲気感が共通してるようでした。

でも、中身のストーリーは大分異なるものだと思います。

プンプンは、あくまで日常を送りながらも陰な雰囲気がある……て感じだけど、

タコピーは起こる出来事すべてがもう陰とかじゃなく闇!って感じ。

鬱漫画にもいろいろ種類があるのね。でもどっちも面白くて好きです。